ご挨拶

弓道に触れて

弓道部の皆さんは、けしてスポーツとしてだけ弓道をやっているわけではないでしょう。武道の一つとしてそれが人間形成に大きな役割を担っていることを確信し、また それを肌で感じていることでしょう。

「弓道は個人の戦いの武道であり、他人を蹴落として勝つことがないだけ自分との戦いと葛藤が大きい(師範:西井先生の言葉)」。

すなわち現代弓道の目的は、対外的な殺傷目的である戦場弓術ではないということです。身体技術面と精神面の一体化が皆さんの弓道感として存在しているはずです。

弓道に触れられたことは、とても素晴らしいことだと思います。

それぞれが自分の目標に向かって葛藤を繰り返しながら成長していく。

その軌跡の一瞬一瞬(たとえば試合場で矢を射る前のほんの一瞬、夏合宿で部員とふざけあう一瞬、練習後に道場の雑巾がけをしている一瞬、練習中の張り裂けそうな声を出した一瞬、部活の帰り道に皆と話す一瞬、道場での規律に包まれた静寂の瞬間、なかなか矢が的に当たらず頭を落とす一瞬、思うように矢が走り始めた一瞬など)の全てが、そこに集う個性ある仲間によってカオス的に振る舞い、その年の唯一のカラーを持ちます。

それを横で見守れることができることを嬉しく思います。 

玉川大学体育会弓道部部長
相原 威

ページの先頭へ